なつかしい、ほっとする、大切にしたい…
あなたの「原風景」を一枚の絵にしたら、
そこには何が、描かれるでしょうか。
背景に広がるのは、どんな景色ですか?
人の姿は見えますか?
人以外の生きものの気配も、
あったりするでしょうか。
「合理化」や「効率化」の名のもとに、
誰かの原風景に描かれていたであろう
さまざまなものが、
ひとつ、またひとつ、姿を消してきた日本。
それは、いっときの利益と引きかえに、
先人たちが長い時間をかけて培ってきた
大切な知恵を、失うことでもありました。
だからこそ、
自然に学び、自然の力を活かしながら、
人の暮らしも豊かに、安全にする、
そんな取り組みを進めていきたい。
原風景は、心の中や、
思い出の中だけにあるのではなく、
人と自然が調和して生きていく、
よりよい未来の風景でもあるのです。
複雑な水路網が多くの生きものを育む有明海沿岸の水田地帯
© WWF Japan
近年、豪雨災害が頻発している九州地方。
WWFは、九州大学や長崎大学と共同で、
水田の生物多様性の保全と防災・減災の両立をめざす
共同研究を行なっています。
九州大学流域システム工学研究室との共同研究で、
河床をコンクリートで固めるよりも、
伝統的な石積みのほうが
川の勢いを抑える効果があり、
防災・減災につながることを示しました。
石積みの河床には、自然の川に近いレベルで、
生きものの生息が可能。
地域の歴史が育んだや風景や文化も、
守ることができます。
©九州大学 林博徳
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WWFジャパン
淡水グループ
並木崇
有明海に流入する河川の流域全体での治水と、
生物多様性保全上の課題解決をめざして研究を
続けると共に、九州の水田地帯で越冬する
マナヅルの生息地保全にも
取り組んでいきます!
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過密を避けるため、越冬地の分散化が課題のマナヅル
© WWF Japan
2011年3月に起きた東日本大震災。
WWFは10年にわたり、宮城県南三陸町戸倉地区で、
海の環境にも配慮した形での
養殖業復興をめざす支援を継続しています。
10年間でどんな変化が起きたかをまとめた報告書を発表。
過密状態だったカキの養殖施設を
3分の1まで減らす思い切った改革が、
海洋環境への負荷の軽減、養殖カキの生産量増加、
収益の増加、労働時間の短縮、災害リスクの低減、
若者の就労促進などにつながった記録を、
誰もが利用できるよう発信しています。
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WWFジャパン
海洋水産グループ
前川聡
引き続き戸倉地区で、
養殖改善のサポートを進めると共に、
有明海でノリ養殖の改善に向けた
支援も検討していきます。
また、海のプラごみの多くを占める
漁具の問題にも取り組んでいきます!
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左:戸倉地区のある志津川湾は海藻類の多様性も高い。
右:ノリを付着させて育てる「ノリひび」と有明海。
© WWF Japan
最新の活動情報
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2021/09/21
地域に寄り添う治水対策をめざして
©WWF Japan
人と自然が調和して
生きられる未来を目指して
WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。