気温上昇/熱波
産業革命が起こった18世紀末以降、すでに世界の平均気温は約1℃上昇しました。もしこのまま気候危機に対して充分な対策がとられない場合、今世紀末になるころには、現在より約4℃気温が上昇すると言われています。それに伴い、熱波の増加と長期化が予想されています。これらの影響により、日本では、今世紀末までに30℃以上の真夏日が現在の倍以上の年間100日を超え、熱中症搬送者数は少なくとも現在の2倍以上になると言われています。
人々の暮らしに、そして時には人命にさえも、深刻な被害をもたらす気候危機。
すでに現れはじめている影響の多くは、気候変動にほとんど責任のない、途上国の人々を襲っています。
世界の人々と心をひとつに、「今」行動することが何より大切です。
産業革命が起こった18世紀末以降、すでに世界の平均気温は約1℃上昇しました。もしこのまま気候危機に対して充分な対策がとられない場合、今世紀末になるころには、現在より約4℃気温が上昇すると言われています。それに伴い、熱波の増加と長期化が予想されています。これらの影響により、日本では、今世紀末までに30℃以上の真夏日が現在の倍以上の年間100日を超え、熱中症搬送者数は少なくとも現在の2倍以上になると言われています。
このまま気候危機が進むと、今世紀末には、氷河や氷床の融解に加え、海水温上昇による水の膨張が原因で、海面が82cm程度、上昇することが予想されています。特に、低平地の開発途上国や小島嶼国などの沿岸部では、海面上昇による被害とその適応にGDPの数パーセントにも及ぶ費用がかかる可能性があると言われています。日本においては、水位が上がることで、現在にくらべ、干潟で最大12%、砂浜に至っては最大82%が消失する恐れがあると指摘されています。
気候危機によって引き起こされる干ばつは、その地域に水不足の深刻化や農作物の生産性の低下、病虫害の増加などの悪影響を引き起こす可能性があります。干ばつの状態にある乾燥地の延べ面積は、年平均約1%の割合で増加してきました。その結果、現在では約5億人もの人々が、砂漠化が進む地域に住んでいると言われています。このまま気候危機が進むと、今世紀末には世界的に干ばつの頻度が高くなるとともに、持続期間が長くなることも予想されています。さらに、乾燥化が進む地域では、森林火災が増えることで、野生生物の生息地でもある森林が回復不能な水準まで失われてしまう恐れがあります。
このまま気候危機が進むと、中緯度の陸域のほとんどと、湿潤な熱帯域で、極端に激しい降雨が増加する可能性が非常に高くなり、主要河川の洪水の影響を受ける世界人口の割合はさらに増加すると予測されています。また、山岳地域では、氷河が解けることによって氷河湖ができ、それが決壊することで、大規模な洪水が起こりやすくなります。これらの山岳地帯は、世界の大河川の源流にあたるため、氷がなくなると、その河川の流域全体で水不足が深刻化します。また、氷河の融解により、氷河や雪解け水に生活用水を頼っている世界人口の6分の1の人々は、生活するための水を得にくくなります。日本においても、今世紀末までに年間平均気温が4℃上昇すると、現在より洪水が約4倍増加する可能性が示されています。
気候危機が進んだ場合、熱帯低気圧の中心の降雨量や最大瞬間風速が今より強くなる可能性があるとされています。地域によってその発生数の増減の予測は異なりますが、日本においては、将来、台風の総数に対する強い台風の割合は増す可能性があると言われています。
このまま気候危機が進むと、気温上昇や降雨量の変化により、より多くの地域で伝染病や感染症が発生すると言われています。その結果、免疫をもたない人々に病気が広がり、被害が拡大する恐れがあります。日本で想定される感染症リスクの1つとして、デング熱の拡大が心配されています。すでに、これまでの気温上昇で、デング熱を媒介するヒトスジシマカの生息域の北限が、東北地方にまで及んでいます。今後年平均気温が4℃上昇すると、現在では国土の40%弱の分布域が最大96%にまで拡大し、北海道でもデング熱の流行が起こる可能性があると予測されています。
これまでの気候危機により、すでに世界の食料生産に影響が表れており、2010年までの30年間に、トウモロコシ、小麦、大豆、それぞれに4.1%、1.8%、4.5%にも及ぶ平均収量の減少があったと言われています。今後、極端な気象が増加する場合には、食料の安定供給が難しくなると同時に、食物の栄養価の低下や、穀物価格の上昇の可能性も示唆されています。なお、食料の生産や流通などの過程で排出される温室効果ガスは、人間社会から排出される総排出量の約3割を占めています。また、食料の廃棄(フードロス)は、生産される食料の25~30%にも達しており、世界の温室効果ガス排出量の8~10%を占めていると言われています。
干ばつや水不足による食料不足、海面上昇や高潮の影響などにより、多くの難民が発生することが予測されています。このまま気候危機が進み、年平均気温が4℃上昇すると、発展途上国の人口の55%が住む、サハラ砂漠以南のアフリカ、南アジア、ラテンアメリカの3地域だけでも、2050年までに最大で約1億4300万人が難民になると言われています。このように、気候危機は地球環境への影響だけでなく、不平等や貧困の悪化を生み出すと言われています。
このまま気候危機が進むと、海水温の上昇などが生態系に影響を及ぼし、今世紀末には世界の漁獲可能量が最大24%減少すると言われています。また、産業革命以降、人間社会から排出されるCO2が海面に溶け込むことによる、海洋の酸性化が続いており、今後も深刻化していくことが予想されています。海洋の酸性化は、サンゴ、貝類、甲殻類などの殻や骨格の形成を難しくしてしまう恐れがあると言われ、漁業や観光業への影響が懸念されます。
気候変動の影響が一因で絶滅の危機に瀕している種の数は、1998年の7種から、20年あまりで3795種になりました。特に脆弱なサンゴ礁では、産業革命以降の温度上昇が2℃に達した場合には、99%以上のサンゴが死滅すると言われています(現在までに約1℃上昇)。さらに、アマゾンなど生物多様性の高い複数の地域を対象にした研究では、このまま気候危機が進むと、最大で生物の半分近くが絶滅の危機に晒されるとする報告もあります。日本でも、高山に生息するライチョウなどの生息地や、ブナ林の生息域が激減する可能性がある一方で、里地を中心としてシカなどの生息域拡大が予測されており、生態系の攪乱*が心配されています。
*攪乱(かくらん):生態系を破壊し、変化させること
これまでの気候危機により、日本ではすでにサクラの開花の早まり、カエデの紅葉の遅れが報告されています。このまま気候危機が進むと、今世紀末には桜前線という言葉が過去のものになりかねません。東北地方や北海道ではサクラの開花が5月から4月に早まり、九州や沖縄では冬に気温が十分下がらないために、開花しなくなることさえあると予想されています。 気候危機により、日本人の季節感に深くかかわるサクラの開花、満開時期がこれまでとずれてしまうと、樹木そのものへの影響のみならず、農耕儀礼や観光資源の価値など、文化や生活への影響が予想されます。
照明をLEDに替える
(消費電力も電気代も大幅にダウン!)
古い家電製品は省エネ型に
買い替える
(商品をさがす際は「省エネ」で検索!)
再生可能エネルギーを多く供給
している電力会社に切り替える
(電力会社は自分で選べます!)
国会や地元の議員、選挙の候補者に、SNSで温暖化政策を尋ねてみる
(あなたの声を、みんなのアクションに!)
窓を二重窓や断熱サッシに
リフォームする
(エアコン使用を減らせば、省エネ効果大!)
太陽光発電や太陽熱温水器を
導入する
(災害時の停電対策にもなります!)
家でも外でも、
食べ残しをしない工夫を
(食料の約3割が食べられず廃棄されています)
牛肉や乳製品の無駄のない
消費を心がける
(牛の飼育には、多くの温室効果ガス排出が伴います)
製品やサービスを選ぶとき、
WWFジャパンの「企業の温暖化対策
ランキング」を参考にする
ランキングはこちらから
職場や学校の温暖化対策を
尋ねて、より効果の高い対策を
おススメする
(電気は再エネ?照明はLED?電子機器は省エネ型?)
地域の自治体に
「2050年CO2排出ゼロ宣言」の
宣言予定や
具体的な対策を聞く
(先進的な自治体では、取り組みを進めています)
石炭火力発電をしている
電力会社に、再生可能エネルギーの
比率アップや切り替えを要望する
(あなたの声が、企業を動かします!)