© WWF-US/Elisabeth Kruger

© Mahmud Yani / WWF-Indonesia

© Neil Ever Osborne / WWF-US

© Neil Ever Osborne / WWF-US

© Chris J Ratcliffe / WWF-UK

© Neil Ever Osborne / WWF-US

WWFジャパン × ソニーグループ
気候変動分野・森林保全を通じた
生物多様性保全分野における
3年間のパートナーシップ

© WWF Japan

  • 1989 法人会員に入会

    WWFジャパンとソニーグループ株式会社(以下、「ソニーグループ」)は、1989年に当時のソニー株式会社がWWFジャパンの法人会員に入会、同社社員の取り組みと連動した寄付や製品提供などの支援を始めたことを契機に、現在まで30年以上にわたって連携を続けています。

  • 2021 コーポレート・
    パートナーシップ締結

    2021年4月1日には、コーポレート・パートナーシップ契約を締結。ソニーグループは、WWFジャパンが取り組む気候変動および森林保全を通じた生物多様性保全を支援し、この2つの分野での協働を開始しました。

  • 2024 3年間の
    パートナーシップ更新

    2024年4月には健全な地球環境の実現に向けた両者の協働をさらに進めていくため、本パートナーシップを更新しました。

コーポレート・
パートナーシップとは?

WWFと企業とのパートナーシップは、共通の環境課題の認識とその解決に向けた目的に基づき、WWFとパートナー企業の二者間で、国際的な規模で、

  1. 持続可能な事業活動の実現
  2. 社会への環境コミュニケーション
  3. WWF自然保護プロジェクトへの資金支援

の3分野を含む協働を行うものです。

このパートナーシップに基づき、ソニーグループは、気候変動対策の分野において、「パリ協定」と整合した先進的な温室効果ガスの削減目標を設定し、取り組みを進めています。また、森林保全を通じた生物多様性保全の分野では、 WWFが東南アジアをはじめとする世界各地で取り組む森林保全活動への支援、同社の技術を活用した協力を推進しています。

© WWF Japan

ソニーグループとWWFジャパンのパートナーシップ契約で目指していることや、
技術連携によるパイロップロジェクト立ち上げについて、
現地でプロジェクトを遂行しているWWFインドネシアへ目的や期待する成果などを説明

WWFの実施する
プロジェクト

気候変動への取り組み

© WWF Japan

© WWF Japan

WWFは、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの排出を削減し、地球の平均気温の上昇を、産業革命以前のレベルに比べ「1.5度」に抑えることを目標のひとつとしています。
このために、WWFでは科学的知見や国際的な協定に則り、温室効果ガスの排出量を大幅に削減するように政府・産業界・金融セクターに対して求める活動を世界各地のオフィスと協力して展開しています。
また、日本国内では二酸化炭素排出の大きな要因である、石炭の使用をやめ、 再生可能エネルギーを主力としたエネルギーミックスを実現し、 省エネルギーを促進するカーボンプライシングなどの有効な政策導入や法整備を目的として、 政府への提言に取り組んでいます。

森林保全活動への取り組み

© WWF-USDes Syafriza

© Aaron Gekoski WWF-US

日本が長年、紙や木材、パーム油、天然ゴムなどの輸入・消費を通じて、 その破壊に関与してきたインドネシアのスマトラ島の熱帯林を保全するため、 WWFジャパンは現地の活動を長年にわたり支援しています。
地域住民や地方政府との協業のもと、森林破壊を伴わない持続可能な農業の推進、 森の恵みを活かした生計手段の確保、野生生物の生息地保全を実施。そのノウハウを地域に移譲しながら、支援の終了後も自立した活動が継続し、 森林破壊ゼロを達成することを目指しています。

Synecoculture™ の活用を目指したパイロット事業

© Tsubasa Iwabushi / WWF-Japan

© WWF-Indonesia

WWFジャパン、WWFインドネシア、ソニーグループ、株式会社SynecO(シネコ。以下、「SynecO」)はインドネシアにおいて技術連携を開始しました。SynecOは、生態系が持つ自己組織化機能を活用するSynecoculture(シネコカルチャー) と呼ばれる農法の普及に取り組んでおり、本技術連携によりWWFインドネシアが森林保全を進める地域に導入します。
地元コミュニティとも協働しながらSynecocultureによる生態系への効果を測定し、活動を通じて長期的に森林周辺のコミュニティに貢献するとともに、多世代にわたって活用されうる森林の存続と、生物多様性の保全の両立を目指しています。

WWFジャパンとWWFインドネシアは協力して、熱帯林の破壊により危機にさらされている野生生物や生物多様性の保全に向けて、インドネシア 西スマトラ州 ソロク県 スンガイ・アブ村において森林再生活動を行っています。植栽した木にとって必要な明るさを確保し、生育を助けるためには、4年ほど下草の管理が必要となりますが、活動地は急斜面にあることから、人の手による作業が困難であるという課題がありました。
本パイロット事業においては、Synecocultureの考え方に基づく戦略的な植生導入と生態遷移の管理により、急斜面でも効率よく多様な植生の定着を図ります。

© WWF Japan

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(写真左)パイロットプロジェクト立ち上げ現場の森林で、ソニーグループ、SynecO、WWFジャパン、WWFインドネシアで協働し、地域住民へのレクチャーを実施
(写真右)技術連携検討の視察への許可を得るために森林管理局にてプロジェクト概要を説明するソニーグループ、WWFジャパンほか

また、Synecocultureは多種多様な有用植物も生産するため、地域の主要農産物である米や果実以外で収入を得られる仕組みの構築と住民の生計向上にも取り組み、有効性を検証します。
本パイロット事業では、SynecOがWWFインドネシアおよび現地住民に対して、Synecocultureに関する座学およびワークショップ、圃場の立ち上げに対するコンサルティングやメンテナンス、効果測定の企画・分析などを行います。また、WWFジャパンおよびWWFインドネシアが、パイロット事業実施のための準備全般、特に、コミュニティとの連携や圃場の立ち上げ・管理のほか、効果測定などに必要なデータの収集などを行います。

© Tsubasa Iwabushi / WWF- Japan

※ Synecoculture(シネコカルチャー)について
多種多様な植物を混生・密生させ、豊かな生態系をつくりだし、もともと生態系に備わる物質循環などの自己組織化機能を最大限利用するもので、環境負荷を生む耕起・施肥・農薬を必要としない農法です。
SynecO代表でもあるソニーコンピュータサイエンス研究所の舩橋研究員が提唱する栽培法で、人間活動が積極的に介在する事で自然状態を超えた生物多様性や生態系機能を実現します。また、食料生産だけでなく、環境や健康に与える影響までも包括的に考えられた立体的な生態系の活用法であることが特徴です。