ファン・カルロス国王のゾウ狩りに関する報道について
2012/07/23
お知らせ 2012年7月23日
2012年4月、WWFスペインの名誉会長であるスペイン国王ファン・カルロス陛下が、ボツワナでのアフリカゾウのハンティング中に怪我をしたというニュースが報道されました。
このゾウのハンティングに反対し、国王にWWFスペインの名誉会長を降りるように求めていた重要な国民の声に接して、2012年4月16日、WWFスペインのファン・カルロス・デル・オルモ事務局長は、スペイン王室に至急会見を求めると共に、国王に対してWWFとしての不快感と懸念を伝える手紙を送付しました。
これに対し、スペイン王室からはWWFの意思を尊重する旨の返信がありました。なお、ファン・カルロス国王は、WWFスペインの前身である自然保護団体ADENAが1968年に設立されて以来、団体の名誉会長の任にありました。
WWFスペインではその後、名誉会長に関する規約の変更等を行ない、2012年7月21日に開催した臨時総会で名誉会長を解任しました。
50年にわたる野生生物の保護活動の歴史を歩んできたWWFにとって、アフリカゾウの保護は長年続けてきた重要な取り組みの一つです。その取り組みは、「ワシントン条約」の成立・発効の促進から、密猟活動の防止、違法取引の調査と規制強化、保護の現場への資金的、技術的な支援まで幅広く行なわれ、また同時に現地にすむ途上国の人々に対しても、可能な限りの理解と配慮を心がけてきました。
WWFジャパンとしても、大変残念かつ遺憾なことであると考えており、従来よりWWFの活動を信頼しご支援くださっている皆様方に対しまして、誠に申し訳ない次第です。本件については継続して情報の収集にあたり、WWFスペインの対応を注視して参ります。続報のある場合は、こちらのページにてお知らせいたします。
参考情報:WWFスペイン事務局長がスペイン王室に送付した手紙(仮訳)
今回の出来事に関し、スペイン国内、そして世界におけるWWFの深い憂慮と懸念をお伝えいたします。ゾウを狩ることは、たとえ合法で、管理された環境下で行なわれているものであっても、WWFのパートナーおよび一般の市民は、これを明らかに問題視しています。
私が大至急、王室との会見を求める理由は、まさにこうした人々のメッセージと懸念をお伝えし、くわしく状況を把握して、WWFに対して疑問を投げかけている国内外の多くの人々に説明したいと考えるからです。
今回のことに嫌悪感を持つ多くの会員が、WWFスペインから離れようとしています。そして、何万人もの人々が、さまざまな電子媒体を通じて、国王陛下にWWFスペインの名誉総裁の職を辞していただくよう求めております。
この残念な出来事はすでに国際的にも広く知られるところとなっています。私たちはWWFという団体と、この団体が50年以上にわたり力を尽くしてきた、ゾウやその他の野生生物の保護活動への信頼性が大きく損なわれることを、深く憂慮しています。
できる限り早くお会いする機会をいただくことを望みます。
2012年4月16日 WWFスペイン事務局長 ファン・カルロス・デル・オルモ