法人会員セミナー「金融危機と地球温暖化」開催報告
2009/04/15
アメリカに端を発した世界規模の金融危機。その中で、地球温暖化の防止に向けた取り組みはどうなるのか。国際経済の専門家であり、3月、WWFジャパン評議員でもある、末吉竹二郎氏を講師にお招きし、この変革を企業がどう捉え、行動すべきなのかを考える、法人会員限定セミナーを開催しました。
金融危機の中で温暖化問題をどう捉えるか
2008年、京都議定書の第一約束期間がスタートし、いよいよCO2がコストとして認識されるようになりました。2008年秋からは、制度設計上はまだまだ不十分な点が多いものの、政府による国内排出量の取引制度も、試行的に開始されています。
また、アメリカに端を発した世界規模の金融危機の中、2009年1月にオバマ新政権が誕生。景気後退への懸念から、環境問題への対応が失速するという指摘がある一方で、オバマ政権が掲げる『グリーン・ニューディール政策』の進展が、注目されています。
WWFジャパンでは3月、国際経済の専門家であり、WWFジャパン評議員でもある、末吉竹二郎氏を講師にお招きし、この変革を企業がどう捉え、行動すべきなのかを考える、WWFジャパン法人会員限定セミナー「金融危機と地球温暖化 ~地球温暖化がもたらす新たな価値観~」を開催しました。
当日は、法人会員18社より24名の方にご参加をいただき、末吉氏の「この金融危機は、新たな環境産業を育成し、低炭素社会を実現する、変革のチャンスである」という言葉に、耳を傾けました。
ご出席者の感想
当日ご出席された、法人会員各社の参加者の皆さまより、以下のようなご感想をお寄せいただきました。
テーマについて
- 非常にタイムリーなテーマ設定で大変参考になった。」(出席者多数)
- 企業の立場で考えられるテーマで良かった。」(N社)
- 現在の一番重要且つ問題のあるテーマであり、非常にためになった。」(M社)
内容について
- 順序だてての説明で内容がわかりやすく、また結論もはっきりとしていたため、頭の中で漠としていた点がクリアになって良かった。」(複数社)
- 地球温暖化についてのフォーラムやセミナーは多いが、今回は非常に具体的でわかりやすく、興味深いものであった。」(N社、T社)
- CO2対策は企業の競争力アップとの関係が深いことがよくわかった。」(D社)
- 現在の経済状況と長期的温暖化対策の検討状況、価値観の変化など気になっているところが聞けたのでよかった。」(S社)
- リスクとチャンス、長期的視点ということ、地殻変動が起こっていることが印象に残った。」(C社)
WWFジャパン 法人会員向けセミナー 開催概要
開催テーマ「金融危機と地球温暖化 ~地球温暖化がもたらす新たな価値観~」
開催日時: 2009年3月2日(月) 16:15~18:30
講師: 末吉竹二郎 氏
<プロフィール>
鹿児島県出身。1967年、東京大学経済学部卒業後、三菱銀行入行。1994年、同行ニューヨーク支店長、取締役就任。1996年、東京三菱銀行信託会社(ニューヨーク)頭取就任。1998年、日興アセットマネジメント副社長就任。2003年、国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)特別顧問就任。川崎市国際環境施策参与。鹿児島市環境アドバイザー。日興アセット時代にUNEPFIの運営委員会のメンバーに就任。これをきっかけに、この運動の支援に乗り出す。2002年の退社を機に、UNEPFI国際会議の東京招致に専念。2003年10月の東京会議を成功裏に終えた。現在も、引き続きUNEPFIに関わるほか、環境問題や企業の社会的責任(CSR/SRI)について、各種審議会、講演、テレビ出演等で啓蒙に努めている。
著書:「日本新生」北星堂、「カーボン・リスク」北星堂(共著)