法人会員限定:映画『パワー・トゥ・ザ・ピープル』上映会実施報告
2013/11/05
「あなたの国・社会のエネルギー利用は、この先どのように進んでいくのか?」そんな問いかけをテーマとした映画『パワー・トゥ・ザ・ピープル』上映会を、2013年10月28日、WWFジャパンの法人会員限定で開催しました。上映後には、WWFジャパンの気候変動・エネルギーグループの担当者より、2050年までの日本におけるエネルギーのあり方を示したWWFジャパン独自の「エネルギーシナリオ」も紹介。企業としての取り組みにおいて、何が課題になっているかについてもディスカッションを行ないました。
映画『パワー・トゥ・ザ・ピープル』上映会
2013年10月28日、WWFジャパン事務局にて、映画『パワー・トゥ・ザ・ピープル』上映会をWWFジャパンの法人会員限定で開催しました。
この作品は、オランダで再生可能エネルギー普及に取り組む活動家や、デンマークのサムソ島で100%クリーンエネルギー化を実現し、2008年にTIME誌の「環境ヒーロー」に選出されたソーレン・ハーマンセン氏の取り組みなどを紹介するドキュメンタリーです。
ナビゲーターは、第三次産業革命の提唱者であるジェレミー・リフキン氏。欧州委員会、メルケル独首相をはじめ、世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを努めるエネルギー革命のキーパーソンです。
「大きな社会」から、顔の見える「小さな社会」へ。作中では、地域でお金やエネルギーを循環させながら、人々が自らのエネルギーを活かして働く様子が描かれています。
この映画は、「あなたの国・社会のエネルギー利用は、この先どのように進んでいくのか?」と私たちに訴えかけてきます。
実は、これに対する一つの解を、WWFジャパンは既に社会に提示しています。
それが、2050年までの日本におけるエネルギーのあり方を示した報告書『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案』です。
これまでに「省エネ編」「自然エネルギー100%編」「費用算定編」「電力系統編」の4回にわたり発表しており、できるかぎりの省エネを進め、原発を段階的に廃止した上で、必要な需要は自然エネルギーでまかなうことは可能であることを示しました。
そこで、今回の上映会では、約50分ほどの上映の後に、WWFジャパンの気候変動・エネルギーグループの担当者よりWWFジャパンのエネルギーシナリオを紹介。その後、日本のエネルギーの未来について考える意見交換の場を設けました。
参加者は「自社での再生可能エネルギー活用の取り組み」「社会での再生可能エネルギー普及の取り組み」の2つのグループにわかれ、それぞれWWFスタッフがファシリテーターとして進行しながらディスカッションを行ないました。
ディスカッションでは、両グループともに、自然エネルギーを導入する際にコスト面がネックになっていることについて指摘がありました。また、2012年7月に日本でも開始された固定価格買取制度について、現状でメリットは感じるものの制度自体の先行きに懸念が残るといったご意見や、「グリーン電力証書」を購入しても、この仕組み自体が難しいため社内外での説明が難しく、導入によるアピールがしにくいといった悩みがあることなどのご意見がよせられました。
短時間のディスカッションではありましたが、自然エネルギーに対する参加者の関心の高さが窺えると同時に、WWFの活動に対し、企業の方々の生の声をお聞きするよい機会ともさせていただくことができました。
WWFジャパンでは、また、このような場を設けてゆきたいと考えております。今回、貴重なお時間を割いてお越しいただき、ご意見をいただいた参加者の皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
WWFジャパン 法人会員向け映画上映会 開催概要
■開催日時:2013年10月28日(月) 16:00~18:00
■上映作品名:『パワー・トゥ・ザ・ピープル ~グローバルからローカルへ~』(吹き替え版)
原題:Power to the People
制作:VPRO
監督:サビーヌ・ルッベ・バッカー
配給:ユナイテッドピープル
協力:WWFジャパン
オランダ/2012年/49分
公式サイト http://unitedpeople.jp/p2p/