白保の海へ!住友生命・従業員によるツアーを実施


2014年5月10日~11日、沖縄県の石垣島白保地区にあるWWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」では、地元の市民グループNPO法人「夏花」と共に、住友生命保険相互会社のヒューマニー活動「石垣島サンゴ礁守り隊2014」の受け入れを行ないました。同社に活動資金の支援を受けている石垣島・白保の自然を見ていただき、また活動にご参加いただくこの企画。今回で3回目の実施となりました。

3年連続のツアー企画が実現

世界最大級ともいわれるアオサンゴ群落の広がる白保の海。 WWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」は、この海を守るために、「地域住民主体のサンゴ礁保全と資源管理に向けた持続可能な地域づくりプロジェクト」を行なっています。

この取り組みには2008年から、住友生命保険相互会社より活動資金を、継続的にご支援いただいてきました。

こうしたご支援のおかげで、2013年には、地元での活動の中心となる、NPO法人「夏花」も設立され、地域主導の保全の取り組みは、少しずつ前進をみています。今回のツアー「石垣島サンゴ礁守り隊2014」は、住友生命のヒューマニー活動の一環として、白保の自然と、保全の現場を実際に見、また活動にご参加いただく機会として行なわれました。

このツアー企画は、2012年以降3度目の実施となり、今回も全国から集まった17名の同社職員、および12名の住友生命沖縄支社八重山支部の皆さんが参加。中には3回連続の参加!という、白保のファンもいらっしゃいました。

ツアーの初日、白保を訪れた皆さんが、まず向かったのは、サンゴ礁の海!
ところが、「しらほサンゴ村」での開会式が終わり、海へ入る頃には、天候が悪化。一度は海へ入り、広がるサンゴ礁をほんの少し見ていただきましたが、大雨に見舞われ止む無く中止。「しらほサンゴ村」にもどり、現在取り組んでいるプロジェクトの内容を詳しくご紹介させていただくことにしました。

白保という場所、その文化と、自然について、また同社よりいただいている活動へのご支援が現地でどのように役立っているのかお伝えしました。

夜に催された、地元のNPO「夏花」の関係者の皆さんとの交流会も盛り上がり、天候に恵まれないながらも、地域を身近に感じていただける初日となりました。

開会式(夏花理事長あいさつ)

このときはまだ曇り空でした

いざ、海へ!この後、大雨が降り、シュノーケルは中止に...。

交流会の様子

ボランティアとしての活動参加

一転して快晴となった2日目は、白保海岸での「ビーチクリーン」で開始。海流に乗って流れ着くさまざまなゴミの回収を行ないました。

ゴミの中には、日本で捨てられたものばかりでなく、中国や台湾から流れ着いたものや、ここ2~3年で確認されるようになった、タイやベトナムからのゴミも。海の自然が、一つにつながっていることを、改めて感じる機会になりました。

その後は、伝統的な漁具で、現在は小中学校の環境教育にも使われている「海垣」の石積みと、糸芭蕉の植栽など、さまざまなボランティア活動にご参加いただきました。

特に、重要な取り組みとなったのは、糸芭蕉の植栽です。

これは、大雨が降った折に、畑などから、サンゴの海へ流出する赤土の流出を防ぐために行なわれるもので、過去のツアーでも同じくボランティア活動として行なわれた取り組みでした。

過去2回のツアーでは、ショウガ科の植物である月桃の植樹でしたが、今回植樹したのは、前夜の交流会などで皿としても使用した糸芭蕉。糸芭蕉は月桃と比べて活着率が良いというメリットがありますが、大きく育つため植樹間隔が月桃より広く、その隙間から赤土が流出するとのデメリットもあり、賛否両論あります。植樹する樹種は、植える畑の持ち主が決めます。

この日はたまたま、前日に降った大雨によって、畑からの土壌流出の状況が生々しく残っていました。その様子をご覧になった参加者の皆さんも、サンゴ礁への影響がどれほどになるものか、深刻さを直に実感してくださったようです。

糸芭蕉の苗は計150本が、この日のボランティアによって植樹されました。

ビーチクリーン

「海垣」の石積み作業

糸芭蕉の植栽

南国ならではの自然、活動の大事さを実感

その後、閉会式が行なわれ、ツアー参加者の皆さんより、さまざまなコメントをいただくことができました。

  • 初日のシュノーケルは、あまりに時間が短く残念だったが、これも南国ならではの貴重な体験だった
  • 自社の支援プロジェクトの進展が体感できて社員でよかったと感じた
  • 初日の大雨のおかげで、畑からの赤土流出の現場をより生々しく実感することができた
  • 過去に植樹した月桃が折れたり流されたりしていてショックだったが、そうした中でもたくましく生き残っているものもある。この現実をしっかりと受け止め、だからこそ、こうした活動を続けていく意義があると思う

悪天候の中、それぞれの方が、今回のツアーの意義を見出してくださったようです。

このように活動をご支援いただいている企業関係者の方々に、実際の現場を体験いただくことは、WWFにとって活動そのものを見直す機会となります。

また、地元の白保で活動する人々にとっても、今回のようなツアーは、サンゴ礁をはじめとする地域の自然環境の保全と、持続可能な地域資源の活用による地域活性化の両立を図るため、定期的な実施をめざしている「エコツーリズム」の推進のための参考となりました。

今後、WWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」では、WWFが取り組んできた保全活動を「夏花」に移管し、「夏花」が自主的に取り組むことができるよう支援していくこととしています。具体的には、今回のような、サンゴ礁保全のための活動も組み込んだエコツアー受入といった活動を「夏花」主体としていくことで、地域コミュニティによるサンゴ礁の保全に取り組んでいきます。

みなさんお疲れ様でした!

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