環境に対する企業の責任


ビジネスモデルの見直し

現在地球が直面している様々な環境問題―気候変動や生息地の消失、資源の過剰利用、大気や水の汚染等々―は、エネルギー使用や農林水産業、鉱工業など、私たちの経済活動が負荷要因となって進展しています。その根底にあるのは私たちの消費と、資源利用の効率性の問題です。言い換えれば、生産と消費を持続的なものにしていくことが、環境問題の根源的解決策なのです。

企業の社会的責任(CSR)が常に語られるようになった今、企業に求められているのは単に生産活動を効率的なものとすることだけではありません。非持続的消費活動と非持続的資源利用の上に成り立ったビジネスモデルそのものを、自然環境の劣化を招くものと受け止め、見直していくことが必要なのです。そしてこの見直しは、企業自身の持続可能性のためでもあります。非持続的に資源を利用したビジネスは、いずれその資源の枯渇という事態に直面するからです。環境に対する企業責任を果たすということは、企業自身の将来のためでもあるのです。

国際条約からの要請

2010年に名古屋で開催された「第10回生物多様性条約締約国会議」では、2020年に向けた生物多様性新戦略計画が策定され、20の目標が定められました(愛知目標)。この目標の4番目は、次のようになっています。

「遅くとも2020年までに、政府、ビジネス及びあらゆるレベルの関係者が、持続可能な生産及び消費のための計画を達成するための行動を行い、又はそのための計画を実施しており、また自然資源の利用の影響を生態学的限界の十分安全な範囲内に抑える。」

また、会議で決議された一つに「ビジネス参画」があり、企業に対しても愛知目標達成への貢献を筆頭として、11の具体的アクションが推奨事項として挙げられています。企業の大小によらず、地球環境の悪化を食い止めるための行動が期待されています。

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