森林資源の持続可能な利用とFSCについて


企業による資源の持続可能な利用

森林資源の持続可能な利用とFSCについて

命と資源の源、森林

世界の森林面積は約40億ヘクタール、地球の陸地の約1/3が森林に覆われています。森林は、人間をはじめ多様な生き物たちの命を育む重要な役割を果たしてきました。

本来、森林は時間とともに成長する再生可能な資源です。森林を適切に管理しながら利用し続けることができれば、将来にわたって使い続けることのできる持続可能な資源と言えます。

しかし、世界の森林は、毎年1300万ヘクタール(日本の国土の約1/3に相当)が失われ続け、依然として減少の一途をたどっています。

その主な原因には、薪などの燃料としての利用、農地などとして利用するための土地転換や森林火災、そして紙の原料や木材として利用するための伐採などがあります。

消費国日本としての役割

日本は、紙や木材などの森林資源の多くを海外から輸入する国の一つ。そのため、私たちの暮らしは、世界の森林減少と無関係とは言えません。紙を例にとってみれば、日本全国の紙使用量は、中国、USに継ぎ第3位。国民一人当たりの使用量では、世界の平均が57キロ/年であるのに対し、日本人一人当たりの平均使用量は約220キロ/年。日本は世界平均の4倍近くを使用する世界でもトップクラスの消費国と言えます。

市場には、周辺の環境や社会への十分な配慮がないまま原料調達が行われている製品と、そうではなく、リサイクルされた原料をもとにつくられた製品や FSC(Forest Stewardship Council=森林管理協議会)のような信頼できる制度によって認証された製品との両方が存在します。

紙や木材を多く利用する企業は、まずは不要な購入を行わないことが重要です。そして購入する場合には、森林資源の責任ある調達方針に基づき、環境や社会に配慮されていることが確かめられているFSC認証製品などを優先的に購入すること、森林破壊や劣化につながる製品を排除することで、森林保全と森林資源の活用の両立に貢献することができます。

参考文献:FAO Global Forest Resources Assessment 2010、日本製紙連合会

関連リンク

FSCについて

FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は、木材を生産する世界の森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際機関。その認証は、森林の環境保全に配慮し、地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能な形で生産された木材に与えられます。このFSCのマークが入った製品を買うことで、消費者は世界の森林保全を間接的に応援できる仕組みです。WWFは、世界的な持続的な森林の利用を推進するため、その普及と推進に取り組んでいます。

責任ある林産物の購入

「責任ある林産物の購入(調達)」とは、使用する木材や紙の原料がどこの森林から、どのように伐り出されたのかを確かめ、森林破壊に荷担しないような木材製品を積極的に購入することです。大量の木材や紙を取り扱う企業や、それを利用する組織に対しWWFジャパンは、責任ある林産物の購入を提案しています。

WWFジャパン 『林産物調達チェックリスト』

WWFジャパンでは、製品の森林環境への配慮や社会への影響について自主的なチェックが行えるツール『林産物調達チェックリスト』を作成・公開しました。『チェックリスト』ファイルをダウンロードし、各設問に答えていくだけで、採点は自動で行なわれます。

持続可能な森林の利用

世界の森林環境を、具体的かつ現実的に進めていくためには、ただ伐採や破壊に反対するだけではなく、環境を保全しながら、森林資源を持続可能な形で利用してゆくことが必要です。WWFはそのための社会的な仕組みである、「森林認証制度」の普及と推進に力を入れています。

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