日本でも、2023年6~8月の平均気温が、1898年の統計開始以降最も高くなったと気象庁が発表しています。
ここ数年、頻繁に起きている世界中の豪雨や猛暑。
「過去最大規模」が多発している大型台風。
こうした異常気象の一因は地球温暖化だと言われています。
そして、温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出量は日々増加し、地球全体の森林などの生態系が吸収できる量の倍以上にもなっています。
いつになったら、この増加を止めることができるのでしょうか。
WWFは化石燃料や原子力に頼らない「脱炭素社会」の実現に向けて、さまざまな国際会議で、影響調査報告や温暖化対策の強化を提言。
各国政府や産業界に対して、新たなルール作りを働きかけています。
2019〜2020年にかけてオーストラリアで発生した火災は、北海道ふたつ分より大きな面積の森を焼き尽くしました。
森林火災は、本来、自然現象のひとつです。火事が起きることで、発芽しやすくなる植物もあるほどです。
しかし今、地球温暖化による異常な高温や乾燥によって、以前よりも森林火災が起きやすくなっているだけでなく、長期化・大規模化するようになりました。
森が再生するよりも早く、次の火災が起きてしまう。そして、森が、温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収・固定する力も弱まっていく・・・
温暖化の進行と森林減少の悪循環が、始まっているのです。
地球の三分の二を覆う海。
そこには、陸上の全ての生命を合わせたよりも、はるかに多くの生命が存在しています。
しかし、その生態系に大きな影響を与えるのではないかと心配されているのがプラスチック汚染。
私たちが気軽に使い捨てているプラスチックは、一度流出すると多くが海に流れ込み、自然界のサイクルの中では容易に分解されないため、半永久的に残留し続けます。さらに、細かく砕けた「マイクロプラスチック」となって生物に取り込まれることで、食物連鎖を通じて海の生態系に、そして人体にも、影響を及ぼすのではないかと懸念されています。
このままでは、2050年には、海にあるプラスチックの量が魚の量を上回るとも言われています。
WWFは「2030年までのプラスチックの自然界流出ゼロ」を目指し、他団体とも連携し、国内外での海洋汚染問題の解決を推進。
国連環境総会やG20などの国際会議を注視しつつ、日本や各国の政府や企業への働きかけを行っています。
現在も、約4万2千種の野生生物が絶滅の危機に瀕しています。
たとえば、ネコ科の動物39種のうち、半数近い18種が絶滅危惧種となっています。
ネコ科の動物が絶滅の危機に瀕している理由は、
地球温暖化や、開発による生息地の劣化・分断、毛皮や肉・骨を目的とした密猟など様々です。ペット利用を目的とした捕獲も原因の一つに挙げられます。
加速し続ける野生生物の減少を私たちの手で食い止めることが必要です。
WWFは野生生物の減少を食い止めるために、ペットや象牙など、日本国内の消費が関係する野生生物の取引問題への取り組みをはじめ、南西諸島およびアジア地域での生息地保全と密猟対策の強化を行っています。国際的な支援が求められている、海外の希少種の保全プロジェクトへの支援も実施しています。