こんにちは。
ぼくはサンゴ礁の海に暮らすクマノミです。
突然ですが、
地球温暖化で困っている生きもの、と聞いて、
誰を思い出しますか?
やっぱりホッキョクグマ、かな?
でも実は、サンゴ礁の海も、とっても危ないのです。
昔と比べて
1°Cくらい上がっているらしいけど、
これがあと1°C高くなると、
世界から、サンゴがほぼなくなってしまうというのです。
そうなったら、もちろん、ぼくらは生きていけない。
サンゴ礁の海にすんでいる、
たくさんの仲間たちも同じです。
早ければ、あと10年で、
0.5℃上がる可能性もあるみたい。
ぼくらの未来をなんとか守る方法、ないのでしょうか・・・
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載されている、絶滅のおそれの高い野生生物は3万178種。
そのうち3,795種の生きものは、地球温暖化が危機のひとつになっています。実に8種に1種の割合です(2020年3月時点)。
温暖化の影響は、さまざまな形で、野生生物の暮らしを脅かしています。
高山や島の生きもの、すでに生息地が分断されている生きものは、温暖化によって環境が変化しても、逃げ場がありません。
ヒマラヤと中央アジアの山岳地帯に生息するユキヒョウ。毛皮を狙う密猟や、家畜を襲う害獣としての駆除により、現在4,000~6,500頭ほどしか残っていません。温暖化が進むと、高山の環境が大きく変化する可能性が高く、ユキヒョウだけでなく、ユキヒョウのえものでもある野生のヤギ・ヒツジ類などが適応してきた環境が、急速に失われていくと予測されています。
温度の「振れ幅」が、各地で大きくなっています。高温による影響はもちろん、異常な低温が、植物や昆虫に大打撃を与えることもあります。
熱帯から亜熱帯に分布するアオウミガメ。産卵に欠かせない砂浜の開発、食用にするための乱獲、誤って漁網にかかる「混獲」などに脅かされています。ウミガメは、卵が産み落とされた砂の温度で性別が決まります。高いとメス、低いとオスが増えるため、温暖化によってメスばかりに偏るおそれが高まっています。また、海面上昇による砂浜のさらなる消失も心配されます。
温暖化が引き起こす干ばつは、淡水魚やカエル類など水辺の生きものを直撃。また、植物を枯らし、それが動物へも波及します。
オーストラリア東部にすむコアラ。ユーカリの葉を主食としますが、野生のユーカリ826種のうち25%が、開発によって絶滅の危機に。外来生物の影響や交通事故の被害もあります。オーストラリアでは深刻な干ばつが続いており、2019~2020年には大規模な森林火災が長期にわたって続きました。
インドネシアのスマトラ島に暮らすオランウータン。パーム油や紙などの生産による急激な森林減少によって絶滅寸前まで追い込まれています。加えて、温暖化による干ばつと高温で、毎年のように森林火災が発生。また、雨期には雨量が増加し、主食の果物が減少することも懸念されています。
台風やハリケーンは自然現象ですが、温暖化はその勢力を強大化させることが指摘されています。
カリフォルニアからアリューシャン列島にかけての沿岸にすむラッコ。原油の流出事故や漁網への混獲が主な脅威となっていますが、原因不明の死亡や衰弱が観察される例も増加。海水温の変化や暴風雨の影響で、採食行動が妨げられている可能性や、感染症の拡大などが疑われています。
アフリカ大陸の南部沿岸に分布しているケープペンギン。卵の違法採取や外来生物の影響、 漁網への混獲などが起きています。また、魚の回遊ルートが変わったことによる食糧不足や、繁殖コロニーへの嵐の影響なども指摘されており、いずれも温暖化が関連していると見られています。
今のままでは、特に温暖化に弱い生きものたちと、一緒に未来を迎えることができません。温暖化の進行をくいとめ、野生生物たちが生き残るチャンスを少しでも広げたい!WWFだからこそできる下記の活動に、ぜひ皆さまの力を貸してください。
気候危機をくいとめるには、世界中の国で、温暖化対策を強化する必要があります。もちろん日本も! WWFは、政府に対して、温室効果ガスの削減目標を高めるよう求めるとともに、具体的な温暖化対策を提案していきます。
温室効果ガスの排出量を大幅に減らすには、企業や自治体の役割も重要です。近年、WWFの呼びかけに応じて、温暖化防止の取り組みに積極的に参加する企業や自治体が増えてきました。この動きを加速させていきます。
新型コロナウイルス感染症による経済の停滞。そこからの回復を図るときには、温暖化対策も含めた「グリーン・リカバリー」をめざすことが大切です。人間にも、環境にも、よりよい回復につながる方策を提案していきます。
太陽光や風力などの自然エネルギー施設の開発は、自然環境や地域社会にマイナスの影響を与えないよう、進めていく必要があります。WWFは、環境と社会に配慮した形で、自然エネルギーの拡大を図っていきます。
気候危機が迫る中、野生生物が生き残れるチャンスを少しでも広げるために、森林やサンゴ礁の保全により力を注いでいきます。それは、温室効果ガスを吸収してくれる自然の力を高めることにもつながります。
人と自然が調和して
生きられる未来を目指して
WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。