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目撃者の証言:彩りを失うサンゴ礁
オセアニア(クック諸島):リンダ・モートンさん
アメリカの病院で働くリンダ・モートンさんは、ここ10年ほど、毎年旅行でクック諸島を訪れています。しかしある日、アイツタキ島で、前日まで美しい赤紫色をしていたサンゴが、一晩で真白に変わってしまったのを目撃しました。リンダさんは地球の温暖化が、美しいサンゴに与える影響をとても心配しています。
南太平洋の島からの証言
私の名前はリンダ・モートンです。53歳で、アメリカ合衆国・アイダホ州のボイシに22年間住んでいます。今は、地域の病院で授乳の相談役、そして保健栄養士として働いています。私は、美しい自然環境の中で過ごすことに生きがいを感じるので、野外でラフティングやスキー、ハイキング、野鳥観察をすることが大好きです。

リンダ・モートンさん
(C)Linda Morton
アイツタキ島での異変
この10年間は、私は夫と一緒に南太平洋のクック諸島へ旅行をしています。クック諸島の人たちはとても親切で、文化も魅力的ですし、雄大な砂浜はアウトドアをして過ごすには最適な場所だからです。
しかし、2006年にアイツタキ島とラロトンガ島の礁湖でシュノーケリングを楽しんでいた時、私は驚くべき出来事を目撃してしまいました。過去10年クック諸島を訪れている私にとっても、この変化は非常に気になるものでした。
2006年4月、私は数日間アイツタキ島に滞在し、赤紫に彩られたサンゴ礁を、数時間にわたって観察して過ごしました。それは息をのむような美しい光景で、私は今までこれほどまでに豊かで、美しいサンゴを見たことがありませんでした。
ところが、島に滞在した最後の日、私が最後にもう一度、サンゴを見に行った時のことです。あの美しかったサンゴが一面、すべて真っ白に変化していました。わずか一日の間に、こんなにも海は変わってしまったのです。

美しいクック諸島の島々 (C)Linda Morton
一年が過ぎても、私の心に焼き付いていた、この驚くべき急激なサンゴの変化は、私を困惑させて続けました。そして私は、自分が目撃したことを、誰かに話さなくてはならないと思いました。
このようなサンゴ礁の色の変化は、温暖化によって、海水の温度が上がったことが原因ではないか。しかし、海水の温度の変化は、一夜にしてこれほどに劇的にサンゴを変えてしまうものでしょうか。あるいは、私が見た変化は、運よく目撃できた自然の営みなのでしょうか?
ラロトンガ島のサンゴ
一方で、同じクック諸島のラロトンガ島には、色鮮やかなサンゴはあまり見られません。サンゴ礁には、サンゴの死骸ではないかと思われる灰色の岩のようなものがたくさんあり、水も濁っているように思われます。
もし、私が目撃した異変が、地球温暖化と関係あるならば、これからのクック諸島の研究課題にどう関わっていけばよいか、私はぜひ教えてほしいと思っています。私は、これからも数年間、クック諸島を訪れるつもりです。もし私の集めるデータが役に立つのであれば、もっと科学的な方法でサンゴの変化を観測し報告していきたいと思います。その方法についても、助言をお願いしたいと思っています。
WWFインターナショナル/ホームページ掲載日:2007年5月20日
Climate Witness:Linda Morton, Cook Islands
科学的根拠
モートンさんが述べているアイツタキ島の目撃内容は、生理的ストレスに対するサンゴの反応と一致しています。アイタツキ島の礁湖のような比較的手付かずの自然環境を考慮すると、サンゴの変色は、高い海水温度や過剰な日光にさらされた結果である可能性が非常に高いといえます(IPCC 第4次評価報告書WGⅡ [6.4])。したがってこの目撃内容は、学術専門誌による気候変動のサンゴ礁生態系への影響に関する報告と整合性のあるものです。
ラロトンガ島での目撃内容は、以前の白化現象のなごりで、高い濃度の汚染にさらされる、あるいは沈殿物質が多くたまるなどのストレスを受けた場合のサンゴ礁生態系の再生の遅れを浮き彫りにしています。沈殿物質の増加は気候変動と関係している可能性があります。ただし、間接的にですが。
結論として、特にアイツタキ島での目撃情報は、進行している温暖化の影響に関する学術専門誌の報告と一致したものであると考えられます。
全ての記事は「温暖化の目撃者・科学的根拠諮問委員会」の科学者によって審査されています。
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公開日:2007/05/20
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