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目撃者の証言:ミツバチが語る温暖化の影響
ヨーロッパ(イタリア):ジュゼッペ・ミランティさん
ジュゼッペ・ミランティさんは、1979年に北イタリアのピアチェンツァで生まれました。20歳で農工業マーケティングの技術学位を取得した後、軍警官としての職務に就きましたが、農業への熱い思いを実現するために転職。農業と養蜂の仕事に改めて取り組むことにしました。 ジュゼッペ・ミランティさんは現在、農業企業と養蜂場を経営しています。しかし、地球温暖化の影響によって植物の開花時期が変わったため、その変化にハチたちが適応できず、蜂蜜の生産が減っているといいます。温暖化によって、身近で当たり前の食材が、手に入らなくなるかもしれない、一つの例といえるかもしれません。
北イタリアの養蜂場からの証言
私の名前はジュゼッペ・ミランティです。26歳で、ピアチェンツァに住んでいます。アジェンダ・アグリコラ・ミランティというバイオ農業会社のオーナーとして、果物・野菜・有機穀物を生産し、家畜を飼い、養蜂も行なっています。

ジュゼッペ・ミランティさん
(C)WWF-Italy
蜂蜜づくりへの打撃
私は、イタリア最大の農業組合-コルディレッティとWWFイタリアに、「温暖化の目撃者」として選ばれ、地球温暖化と気候変動についての自身の体験を語る ためブリュッセルに招かれたこと(2005年11月22日、ヨーロッパ中の温暖化の目撃者たちが、ベルギーのブリュッセルに集まり、EU環境委員スタブロ ス・ディマスに彼らの経験を語った)を、大変嬉しく思っています。
なぜなら、私の生活も、ビジネスも、温暖化による影響を受けているからです。温暖化は事実です。今現在、起きていることで、その影響はヨーロッパやイタリア全土で既に現れています。
甘く、とても美味しい蜂蜜は、イタリア料理には欠かせません。
しかし最近、この蜂蜜を作っていて、何かが変わってしまったように思います。気温が上がったため、植物の開花時期が例年とずれてしまい、ミツバチの活動が鈍ってしまったのです。
このことは、養蜂場の経営を大幅に悪化させることになりました。
ミツバチに付く寄生虫も同様に変化し、深刻な問題を引き起こしています。これらの寄生虫が温暖化のために長生きし、強くなったのです。そのため、ハチの数も減少してしまいました。

北イタリアのミランティさんの農園
(C)WWF-Italy

ヨーロッパミツバチ
(C)Martin HARVEY/WWF-Canon

2005年11月22日、ヨーロッパ各地の「温暖化の目撃者」たちがベルギーのブリュッセルに集まり、彼らの経験を欧州委員会(EUの行政執行機関)環境委員のスタヴロス・ディマスに語った。
(C)Ezequiel Scagnetti
変化とのたたかい
こういった現象は地域的、一時的なものではありません。間違いなく今懸念されている気候の変動によるものなのです。
何世紀にもわたり、ミツバチは本能的に周囲の自然環境の変化に適応してきました。しかし私は、人間が引き起こした温暖化による気候変動には、適応できないのではないかと思っています。
イタリアの養蜂農家は今、崩れかけているミツバチの生態系のバランスをなんとか補正しようとしています。こういった変化に対応することは、非常に困難なこ とではありますが、そのために多くの養蜂農家が、新しい生産物や生産方法を試しています。例えば、花の開花時期に合わせて、ミツバチの行動が活発になるよ うな栄養を調整したりすることです。
アルバート・アインシュタインの言葉を思い出してください『もしハチがいなくなってしまったら、人類はあと数年しか生き延びることがでないだろう』。
WWFインターナショナル/ホームページ掲載日:2005年12月18日
Climate Witness: Giuseppe Miranti, Italy
科学的根拠
イタリアに住む人々には、気候変動による影響の苦しみがどのようなものかをよく知っています。2003年にヨーロッパを襲った熱波の被害者は、イタリアが 最多でした。政府の資料によれば20,000人が死亡。森林火災の報告件数はおよそ2,000件にのぼり、干ばつによる農業への被害額は約50億ユーロで した(IPCC 第4次評価報告書WGⅡ)。2005年に起きた別の熱波でも同様の干ばつを経験しました。一部の地域では気温が40度に達し、政府は100万人が深刻な健 康被害の危険にさらされていると警告しました。
一般的にイタリアは乾燥傾向にあり、降水日数は1996年と比べると14%少なくなっています。しかし降水日数の減少と共に降雨強度が増しました。つまり 豪雨の頻度が増えているのです。イタリアは、全体的な降水量の低下や、更に長期化し強度を強める熱波の影響で、この先、地球温暖化の被害が最も深刻になる 国の1つと予測されています。
また地中海の水温も急速に上昇していています。最近の研究で、イタリア周辺の海水温は1985年から2003年までの間に、約4度も上昇したことがわかり ました。海水面は2100年までに20cmから30cm上昇し、つまり沿岸平野部の4,500平方キロが水没の危機にさらされると予測されています。
全ての記事は「温暖化の目撃者・科学的根拠諮問委員会」の科学者によって審査されています。
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公開日:2005/12/18
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