IPCC横浜会議 空席が目立つ夜の会場から
2014/03/28
横浜で開かれているIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の会議4日目の夜です。
前日の3日目は、約40ページある「温暖化の影響」の報告書の要約を、一文一文チェックする作業が、午前2時半まで続きました。
昼間は190カ国からの政府代表団でひしめきあう会場も、夜になるとだいぶ空席が目立つように。でも、政府の中心的な人たちは残って、夜中まで頑張っています。
それでも進行は全体のまだ30%あまり。また長い夜となりそうです。
それにしてもつくづく、これだけの政府が世界各国から集まり、科学者のまとめた報告書を、何とかわかりやすく、なるべく偏らない形に、しかも科学的に正しく伝えようと努力するさまには圧倒されます。
各章を担当した科学者たちが、各国政府のコメントに対し、科学的に検証しながら取り入れたり、却下していきます。朝9時から翌朝まで、髪を乱し、赤い目でぐったりしながら、それでも必死にテキストを追っています。
温暖化の科学は、実証できる科学ではないので、異論も多く聞かれます。そしてその科学を基に、大国同士が痛みを伴うCO2の排出削減について国際交渉していくわけですから、このIPCCの報告書は非常に重みがあります。
だからこそ、特定の国の利益にくみすることなく、公明正大なプロセスで、関連する世界の政府の関与を得て、報告書の要約を作り上げていかねばなりません。
これだけの科学者と、これだけの政府の人々が、これだけの努力を払い、オープンな場で最新の知見をまとめていく作業を見ると、今の段階でこれ以上の公明正大なプロセスはないのではないかなとさえ思います。
報告書の発表は31日の朝です。私たちも頑張らねば~ (温暖化担当:小西)
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