冬の渡り鳥たちと「世界湿地の日」


おっ、今日はちょっと温かい? と思っても、2月の日本は、まだまだ寒い季節。とても水遊びや潮干狩り、といった時期ではありません。

ですが、川や湖、海へゆくと、水辺や水面にたくさんの鳥たちの姿を見ることができます。

こうした冬の間に日本で見られる鳥には、少なからず、より寒い北の大地から、冬を前にやってきた「渡り鳥」たちが含まれています。

見るからに寒そうですが、完全に結氷しない日本の川や湖の水は、彼らにとっては温かいのかも?しれません。

今日、2月2日は、「世界湿地の日(World Wetlands Day)」。
水辺にすむ鳥の生息環境、つまり「湿地」を守るための国際条約「ラムサール条約」が、1971年に締結された日です。

この条約はその後、水鳥の生息域の保護から、水そのものの恵みと、それをはぐくむ自然環境を広く保全する、世界的にも大きな役割を担う条約になってきました。

健全な水は、多彩な野生生物、また水資源や漁業資源をはぐくみ、その水は、森などをも含めた自然によってはぐくまれる。そうした水をめぐる連鎖を、「集水域」または「流域」という、広い視野で捉えて保全をしてゆこう。また、人はそれを壊さないようにしながら「賢明な利用(ワイズユース)」を進めてゆこう。

「ラムサール条約」は、この40年あまりの歴史の中で、自らの役割と目標を、そのように拡大してきたのです。

鳥たちが必要とする水は、私たち人類が必要とする水と、全く同じものです。その水を生み出す、自然の環境もまた然り。今の季節、水辺に集う鳥の姿は、そんな生きものと湿地、そして人のつながりを、あらためて考えさせてくれます。

春先、鳥たちが北へ旅立つ日まで、あとわずかです。(広報:三間)

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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