地球温暖化とWWF
「地球温暖化」は、地球規模の気候の変動をもたらします。
陸、海を問わず、世界全体の環境が受ける影響ははかり知れません。
WWFは現在、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素などの排出を抑え、地球の平均気温の上昇を、産業革命以前のレベルに比べて1.5度に抑えることを目標にした活動を行なっています。
南米のチリで海の大切さを伝え、地域の人たちにも
その保全に参加してもらう普及活動を
1回実施できます。
野生のトラが生息する東南アジアの森で行なう
カメラトラップ調査のトレーニングを
実施できます。
スマトラの熱帯林で、
違法伐採や野生動物の密猟を防ぐパトロールを
14日間、支えることができます。
南米のチリで海の大切さを伝え、地域の人たちにも
その保全に参加してもらう普及活動を
1回実施できます。
野生のトラが生息する東南アジアの森で行なう
カメラトラップ調査のトレーニングを
実施できます。
スマトラの熱帯林で、
違法伐採や野生動物の密猟を防ぐパトロールを
14日間、支えることができます。
「地球温暖化」は、地球規模の気候の変動をもたらします。
陸、海を問わず、世界全体の環境が受ける影響ははかり知れません。
WWFは現在、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素などの排出を抑え、地球の平均気温の上昇を、産業革命以前のレベルに比べて1.5度に抑えることを目標にした活動を行なっています。
地球の平均気温は、20世紀のわずか100年間で、約0.74度上昇したと言われています。0.74度というと、大した気温上昇ではないと思われるかもしれません。しかし、12万5000年前の氷河期と、現在の平均気温の差が、たった5度であることを考えると、その深刻さがわかると思います。
地球温暖化の最大の原因は、私たちが大気中に排出している温室効果ガス。石油や石炭など化石燃料を燃やすと発生する二酸化炭素はその代表ですが、これらの温室効果ガスは、大気中に太陽熱を閉じこめ、ちょうど温室のように地球全体を温める効果を持っています。
今も人間活動による二酸化炭素などの排出量は増加しており、その量は、地球全体の森林などの生態系が吸収できる二酸化炭素の量の倍以上となっています。このため、今後100年間に最大で6.4度の気温上昇が予測されています。たった今から、排出を削減していかなければ、地球の将来が危ういのです。
石油や石炭といった、エネルギー問題と深くかかわる地球温暖化問題は、各国それぞれの責任のあり方や、国内事情が大きく異なります。しかし、全人類が共有する地球の明日を救うためには、国際的に協力して、排出を削減していかなければなりません。
地球温暖化をくい止めるには、省エネルギーを推進し、石油や石炭に替わるエネルギー、すなわち太陽光や風力といったエネルギーを積極的に開発・利用していくことが必要です。
WWFは現在、温室効果ガスの排出を削減し、地球の平均気温の上昇を、産業革命以前のレベルに比べ「1.5度」に抑えることを目標にした活動を行なっています。
このために、世界各国にネットワークを持つ「WWF気候・エネルギー・プラクティス」では、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの排出量を大幅に削減する国際的な協定を、各国政府と産業界、金融セクター、そして一般市民から引き出すことができるよう、世界各地で活動を展開しています。
2015年12月にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で、歴史的な「パリ協定」が成立しました。パリ協定は、京都議定書の後を継ぎ、国際社会全体で気候変動(温暖化)対策を進めていくための礎となる条約で、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することを目的としています。この目的のため、パリ協定の下で国際社会は、今世紀後半に世界全体の温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすること、つまり「脱炭素化」を目指しています。さらに、気候変動による影響に対応するための適応策の強化や、諸々の対策に必要な資金・技術などの支援を強化していくことも定められています。
今後は、このパリ協定を国際的に着実に実施していくことが必要です。また、現状の取組みでは、パリ協定の「1.5度」目標を達成することは不可能であるため、段階的に取組みを強化していくことが必要です。
WWFは、国際社会がパリ協定の約束を着実に達成するように、パリ協定実施に関わる細則に関する国連交渉に働きかけつつ、各国での取組みについても、更なる強化に向けた政策提言を展開しています。
異常気象による被害や海面上昇による海岸浸食、北極圏の海氷の激減など、温暖化の悪影響は、すでに世界各地に現れています。WWFでは、この温暖化の悪影響に関する調査を行ない、「温暖化の目撃者」や、「ホッキョクグマの衛星追跡調査」などを通じて、温暖化の脅威を広く伝え、社会の意識を変える活動を、率先して行なってきました。
また、「適応」のための取り組みも行なっています。「適応」とは、温暖化の悪影響に対する抵抗力をつける活動のことです。
温暖化の悪影響は、経済発展がまだ初期段階にある途上国ほど、強く受けています。歴史的に見ても、現在起きている温暖化の原因となる二酸化炭素を、ほとんど排出してこなかった、それらの国々の多くは、温暖化の脅威に適応する十分な技術や資金を持ちません。従って、温暖化を引き起こしてきた大きな責任を負う先進国が、これらの国々を支援する必要があります。
WWFでは、適応に関する調査を世界各地で行ない、国際交渉の中で、途上国に対する適応の支援が組み込まれるよう働きかけています。
温室効果ガスの排出を削減するには、世界全体のエネルギー供給の方法を、根本的に変革する必要があります。エネルギーの効率を飛躍的に高め、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの供給を、世界各国で大幅に増加しなければなりません。
そして、いまだに電気を使わない生活をしている、多くの途上国の人々のための、持続可能な開発を進めながら、エネルギー転換を世界的に達成していく必要があります。
WWFでは、先進国、新興工業経済途上国を中心に、世界各国のエネルギー事情を調査し、それぞれの国で達成可能なエネルギー源のバランスを提案し、推進する活動を行なっています。また炭素固定貯留など新たに推進される技術については、環境効果と悪影響防止の観点から、調査や監視などを行なっています。
温暖化を防止するためには、個人の善意や、暮らしの中の省エネなどの、自主的な取り組みに頼るだけでは不十分です。温室効果ガスの排出を大幅に削減し、脱炭素社会へと変革するには、社会の中に「炭素を排出するにはお金がかかる」という、経済的な仕組みを作り、普及させていくことが不可欠です。そのための仕組みとして、カーボン・プライシング制度が世界各国・各地域で導入されています。代表的なのは、温室効果ガス排出量に応じて課税する「炭素税」と、社会全体で排出できる量に制限をかけつつ、企業間でその量を取引ができるようにする「排出量取引制度」があります。
WWFは、効果的な「排出量取引制度」の制度設計を提案し、大幅な削減を可能にする社会への変革を推進する活動に取り組んでいます。
WWFは、企業とのパートナーシップを通じて、気候変動問題の解決に貢献していくことを重視しています。
WWFが国際的に推進している取組みの1つに、「Science Based Targets(以下「SBT」)」があります。SBTとは、WWFおよびCDP(*1)、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)による共同イニシアチブ。世界の平均気温の上昇を「1.5度未満」に抑えるために、企業に対して、科学的な知見と整合した削減目標を設定するよう求めるものです。WWFは、SBTのようなイニシアティブの推進を通じて、企業の積極的な温暖化対策の取組みの促進をはかっています。
WWFは地球温暖化防止にかかわる国際会議に、必ずスタッフを送り込み、国際ネットワークを活かしたロビー活動を展開しているほか、地球温暖化に苦しむ途上国の人々の声を代弁し、世界に向けてその被害の実情を訴えています。
石油や石炭に大きく依存した、今のままの社会のあり方では、地球温暖化を止めることはできません。地球温暖化を防止するためには、この社会のあり方を徐々に変えて行くこと、すなわち、より二酸化炭素の排出が少ない「脱炭素化」の方向を目指してゆくことが必要です。
WWFは、地球温暖化防止に積極的な姿勢を見せている世界の企業と協力して、実質的なCO2の排出削減と、それを新しいビジネスの展開に結び付けてゆくことをめざしたプログラムを行なっています。
地球温暖化は、日本も含めた少数の国々から大量の温室効果ガスが排出されることによって引き起こされています。しかし、その影響は世界全体におよび、排出量の少ない国々が、その被害を受けています。
地球温暖化の目撃者
季節はずれの大雨、干ばつ、海岸の浸食、そして希だったはずの疫病…地球温暖化がもたらす悪影響は、すでに世界各地で現れ始めています。WWFは、温暖化の現状を目の当たりにし、その被害に苦しむ人たちの声を、さまざまな国や地域の現場からあつめ、世界に向けて発信するプロジェクト「地球温暖化の目撃者」を展開しています。
WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。