ドーハCOP18 気候変動の新しい時代が始まる


2012年11月26日、中東のカタール・ドーハで、国連気候変動会議(COP18・COP/MOP8)が開幕しました。「京都議定書」の第一約束期間が終わり、これに続いてすべての締約国が参加する新しい枠組みに向けた行程をつくる、その節目の年に開催されたこの会議において、議長国カタールに主導的な役割が期待されます。

砂漠の国、オイルマネーの国で

広漠とした砂漠に広い道路がまっすぐに伸び、真新しい高層ビルが林立し、数えきれないほどの巨大なタワークレーンがさらに多くのビルを増やすべく、建設資材を積み上げていきます。

「世界一退屈な町」といわれたカタールの首都ドーハは、豊富な天然ガスと引き換えに世界中から集まるオイルマネーを投じて拡大し、ダイナミックに変化し続けています。

2012年11月26日、そのビル群のひとつ、ドーハ国際会議場を会場にCOP18が開幕しました。カタール政府はこの巨大な人工都市にさまざまな国際イベントを招致して世界のメディアの注目を集め、国際社会における存在感を高めています。

2022年のFIFAワールドカップの開催地に決定したほか、2020年のオリンピック招致に落選したものの、ふたたび2024年のオリンピック開催地に立候補しています。そして、COP18の誘致もこの国の威信を世界に示すひとつと目されています。

しかし、カタール政府の目的が何であれ、アジア太平洋地域としては京都、バリに次いで3か所目、湾岸産油国としては初めての開催されるCOP18が、気候変動問題の歴史的な転換点になることはまちがいありません。

それはまず、このCOPが京都議定書の第一約束期間が終わる節目の年に開催され、すべての締約国が参加する「新しい枠組み」に向けた行程を創るときにあたる、ということにあります。

そして、新しい枠組みが求める低炭素社会への移行は化石燃料の時代の終わりの始まりでもあるのです。気候変動を引き起こす化石燃料の産油国でCOPが開催されることは、その歴史的な流れの象徴といえるかもしれません。

COP18のキャッチフレーズは「70億人でひとつの挑戦。私もやります」です。

カタールをはじめペルシャ湾を取り囲む国々は、気候変動を引き起こす化石燃料の供給国であると同時に、気候変動に脆弱な地域であるという側面ももっています。

スムーズな低炭素社会への移行は、産油国を含む世界共通の利益なのです。議長国カタールには、その名誉ある役割を主導することが期待されています。

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