いよいよ始まる!「エネルギー基本計画」見直し 7つのポイント
2011/10/03
2011年10月 3日に第1回会合が開催される経済産業省の「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会」に対し、WWFジャパンは「『エネルギー基本計画』の見直しに対する要望書」を提出しました。要望書では、新しい基本計画に盛り込むべき、7つのポイントを指摘。脱原発と省エネおよび自然エネルギーの普及拡大を目指した「三位一体」の施策を強く求める内容になっています。
「エネルギー基本計画」見直しに対する要望書を提出
東日本大震災と福島第一原子力発電所での原発事故を受け、日本のエネルギー政策の将来を決める「エネルギー基本計画」が今、見直されようとしています。
この基本計画は、これまでは原子力政策を軸とした内容で固められており、2010年に改定されたばかりでしたが、今回の原発事故を受け、一度白紙とされ、再検討されることになりました。
今回、基本計画の内容を提案する、経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会のメンバーには、3分の1ほど、自然エネルギー推進派や原発に批判的な立場の方が含まれており、かつインターネット中継により議論をオープンにする方向性が打ち出されています。
生物多様性の保全と、地球温暖化の防止をめざすWWFジャパンは、この「エネルギー基本計画」を大幅に見直し、以下の3項目を「三位一体」で進めるべきことを求めた要望書を、基本問題委員会の委員長と各委員あてに送付しました。
「エネルギー基本計画」見直しで推進すべき3項目
見直しの7つのポイント
さらに要望書では、上記の実現のため、新しいエネルギー基本計画に明確に盛り込むべき7つのポイントを挙げています。
1.自然エネルギーの野心的な普及目標を明確に設定すること
2.省エネルギー目標を掲げること
3.発送電分離を含む電力システムの抜本的な改革を進めること
4.原子力発電所を段階的かつ可能な限り早期に廃止していくこと
5.化石燃料に対する依存度を計画的に下げる方向性を打ち出すこと
6.温室効果ガスに関する「25%削減目標」と整合的なエネルギー起源CO2排出量削減目標を設定すること
7.議論のプロセスでの市民参加および透明性を確保すること
今、国内ではエネルギー政策に対する関心が、かつてない程に高まっています。
要望書では、2011年5月から国内で呼びかけを行なってきた、日本のエネルギー基本計画の改善を求める賛同署名の参加者が4万217人にのぼり、さらにこうした日本の動きに関心を持ち、応援の意思を示す海外からの署名が1,178件寄せられていることも伝えました(9月30日時点)。
WWFジャパンでは現在、日本で自然エネルギー100%を目指すためのシナリオ研究も進めており、2011年7月22日に省エネルギーに焦点をあてた『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案 中間報告〈省エネルギー編〉』を発表したほか、再生可能エネルギーについての最終報告を、11月下旬に発表する予定です。